推薦入試(読み)スイセンニュウシ

デジタル大辞泉 「推薦入試」の意味・読み・例文・類語

すいせん‐にゅうし〔‐ニフシ〕【推薦入試】

出身校学校長などの推薦に基づいて実施される入学試験対象を限定しない公募制、特定学校に推薦枠を割り当てる指定校制のほか、学校長などの推薦が不要な自己推薦や、出身地を限定したり、卒業後に特定の地域での勤務条件としたりする地域枠推薦などの制度もある。推薦入学入試

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大学事典 「推薦入試」の解説

推薦入試
すいせんにゅうし
examination for candidates recommended by senior high school principals

一般的な学力試験によらない入試方法の一種で,出身高等学校長の推薦に基づき,原則として学力検査を免除し,調査書をおもな資料として判定する。根拠は,学校教育法施行規則151条の規定。1967(昭和42)年度の「大学入学者選抜実施要項(日本)」(各大学における入学者選抜の適切な実施および選抜方法等のより一層の工夫・改善を促すため,文部科学省が国公私大・高等学校関係者等の審議を踏まえ,毎年度決定し各大学に通知する要項)に,初めて選抜方法の一つとして公式に記載されたが,それ以前から,当時の文部省との協議により推薦入試を行っていた大学は存在した。受験競争の激化による,高等学校の教育活動への悪影響を改善するために導入された入試方法である。選抜方法として,高等学校の教科の評定平値が出願要件や合否判定に用いられるほか,書類審査・面接(2012年度は8割以上の学部で実施。以下同年度),小論文(6割の学部で実施)なども課される。推薦入試の募集人員は,付属学校からの推薦を含め,定員の5割を超えない範囲で各大学が定める。出願時期は10~11月が9割以上を占め,私立大学は10月が最も多い。2015(平成27)年度は国立75大学,公立82大学,私立578大学の計2117学部で実施された。
著者: 齋藤千尋

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

知恵蔵 「推薦入試」の解説

推薦入試

推薦入試は、大学が高校から提出された推薦書を見て入学の可否を決定する。これに対して、AO(Admission Office=アドミッション・オフィス)入試は、小論文を書かせたり長時間の面接を行ったりして能力を評価する。国立大学は、2007年度入試までは推薦入試で定員の3割まで募集でき、08年度入試からは推薦・AO合わせて5割まで募集できるようになる。一方、私立大学は、推薦入試で募集できるのは定員の半分まで。日本私立学校振興・共済事業団のまとめでは、07年春は私大の入学生の約46%が推薦入学だった。だが、AO入試はその制限がない。志願者集めに苦労する私立大学などには、入学者の大部分が学力試験を課さない推薦・AO入試での合格者というケースもあり、大学生の学力低下の要因となっている。

(増谷文生 朝日新聞記者 / 2008年)


推薦入試

1回のペーパー試験によって入学者を決定する大学入試制度には批判が強かったが、これに代わる入学者選抜も多くなった。推薦入試は、大学が高校からの推薦書で入学を決定するもので、優秀な入学者を早く確保したい私立大学で採用する大学が多いが、それが入試の公正性を歪めているという批判も少なくない。AO(admission office=アドミッション・オフィス)入試は高校の成績などの側面を時間をかけて評価して入学者を選抜するもの。

(金子元久 東京大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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