大学冬の時代(読み)だいがくふゆのじだい

大学事典 「大学冬の時代」の解説

大学冬の時代
だいがくふゆのじだい

若年人口減少に伴って大学経営環境が厳しくなる時代を比喩的に表現した言葉。18歳人口の減少期を目前にひかえた1980年代末頃から大学関係者やマスメディア等で使用され始め,普及した。しかし18歳人口のピークであった1992年(平成4)を過ぎても進学者数の増加は止まらず,進学率も上昇し続けた。大学数も増え,1992年以降の10年間で150校近い大学が新設されている。冬の時代との予測とは裏腹に,1990年代は高度経済成長期に次ぐ戦後第2の大学拡大期となった。しかし2000年前後より進学者数の増加が頭打ちとなり,それに伴い定員充足率が悪化する大学が私立大学を中心に増加してきた。さらに2010年頃からは進学率の伸びも止まり,微減傾向を見せ始めている。学生募集を停止する大学もいくつか現れてきた。このように,大学冬の時代は21世紀に入って本格的に到来しつつある。
著者: 伊藤彰浩

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

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