大学事典 「大学間連携」の解説
大学間連携
だいがくかんれんけい
複数の大学が協力し,相互の教育・研究資源を共有・活用する取組みの総称。日本では1972年(昭和47)に制度化された単位互換を皮切りに,連携大学院制度や連合大学院制度,共同実施制度など教育課程に関する制度が導入・実施されている。ほかにもFD(ファカルティ・ディベロップメント)・SD(スタッフ・ディベロップメント)などの教職員間連携(日本)やインターンシップなどの産学連携(日本),高校との間で行う高大連携(日本)など,連携の対象や内容は多岐にわたっている。さまざまな利害関係者(ステークホルダー)を巻き込んだ広範な連携として,大学コンソーシアム(日本)が有名である。2004年(平成16)に発足した全国大学コンソーシアム協議会(日本)の加盟組織は,47組織(2017年4月)に上る。地域活性化の核となる大学の形成(Center of Community: COC)も,補助金事業と連動しながら進められている。急速な展開の背景には,拡大する高等教育需要に対する人的・物的資源の減少をはじめ,大学評価やアカウンタビリティ,大学の機能分化の促進などが挙げられる。持続的な大学間連携には明確な目的と戦略,継続的な支援が不可欠である。
著者: 山田剛史
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報