大抗議文(読み)だいこうぎぶん(英語表記)Grand Remonstrance

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大抗議文」の意味・わかりやすい解説

大抗議文
だいこうぎぶん
Grand Remonstrance

大諫議書とも呼ばれる。イギリスの清教徒革命の直前に,長期議会国王チャールズ1世に政治改革の必要を主張した陳述文書。 1641年 11月8日,下院の委員会が起草して議会討議に付託し,11票の差で 11月 22日議会を通過。本文は 206条から成り,王の失政を列挙し,カトリック教徒に対する検察,裁判官に対する法の遵守の義務づけ,議会の信任に基づく大臣任命,国教会の改革などの個条を含む。国王に対する議会の批判的態度を明確にし,国教会派の人々を国王支持に走らせた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「大抗議文」の意味・わかりやすい解説

大抗議文
だいこうぎぶん

大諫議書

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世界大百科事典(旧版)内の大抗議文の言及

【長期議会】より

…以後53年から59年までの中断期を除いて,60年までつづいたため,〈長期議会〉とよばれた。開会直後から長期議会は,国王の専制の責任を追及し,その再現を防止するための改革を満場一致で遂行したが,国王から軍事権と宗教権を奪取せんとした〈大抗議文〉の採択を契機に1641年末分裂し,内乱となった。内乱において議会は,軍事・行政・財政の機構を整え,革命派の中央機関として機能した。…

【ピューリタン革命】より

…穏健な改革派はここで国王支持に転じて,議会には分裂の兆候が現れた。国王の悪政を列挙して改革の推進を訴えた〈大抗議文〉が,わずか11票差で議会を通過したのが,その現れである。ところが国王は,42年初め5人の主要議員を逮捕しようとする暴挙に出て失敗し,ロンドンを離れてヨークに向かい,戦闘準備にとりかかった。…

※「大抗議文」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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