日本大百科全書(ニッポニカ) 「大諫議書」の意味・わかりやすい解説
大諫議書
だいかんぎしょ
Grand Remonstrance
ピューリタン革命中に長期議会に提出された文書。「大抗議文」ともいう。長期議会による改革が一段落した1641年暮れ、反革命の高まりを恐れた議会の改革派が、これを起草した。内容は、国王チャールズ1世の「悪政」を204か条にわたって並べたてたもので、国民に訴える手段として印刷され、広く配布された。しかしこの文書は159対148票という僅差(きんさ)で可決されたのみならず、内容があまりにも党派的なものに思われたため、議会の穏健派は国王派に支持を変える結果となった。したがってこの文書は、長期議会を分裂させて議会派と王党派の区別を明らかにするとともに、内戦を不可避にした重要な文書であるといえよう。(書籍版 1987年)
[小泉 徹]