大胡氏(読み)おおごうじ

改訂新版 世界大百科事典 「大胡氏」の意味・わかりやすい解説

大胡氏 (おおごうじ)

上野国勢多郡大胡郷を基盤とする在地領主。大胡郷は,前橋市の旧大胡町を北辺とし,利根川の旧河道(現在の桃木川・広瀬川)の間および北側に広がり,同市幸塚・三俣から笂井(うつぼい)・小屋原に及ぶ広大な郷である。ここに,藤原秀郷流の大胡重俊を祖として,平安末以来根をおろして開発を推進し,鎌倉幕府の御家人として活躍した。また一族の隆義・実秀父子は,法然に師事した浄土教門徒として著名である。南北朝時代には勢力は衰え,1382年(弘和2・永徳2)大胡上総入道跡は闕所地として,上野守護上杉氏に与えられた。室町・戦国時代には,箕輪城の長野氏に属し,その支城厩橋(まやばし)城の同心衆となり,大胡城に拠った。1566年(永禄9)長野氏が武田信玄に滅ぼされると,大胡氏は,一部は上杉氏に属し,一部は武蔵牛込に移り牛込氏を称した。また上泉に住した大胡武蔵守信綱(後に,上泉秀綱となる)は浪人となり,新陰流の剣法を起こした。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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