大胡郷(読み)おおごごう

日本歴史地名大系 「大胡郷」の解説

大胡郷
おおごごう

現大胡町から西方前橋市北東部を含んだ中世の郷。大胡の名は高崎市山名やまな町にある山上やまのうえ(天武天皇一〇年建碑説が有力)の碑文中にみえる大児臣おおごのおみとの関連が考えられている。「和名抄」には見えず、建武二年(一三三五)六月一九日の上野国宣(長楽寺文書)が初見。これは「大胡郷内野中村地頭職」を新田義貞長楽ちようらく(現新田郡尾島町)了愚に寄進したことを示す文書であり、大胡郷内に野中のなか(現前橋市)があった。地頭職は鎌倉幕府成立に伴って、在地領主大胡氏に与えられたものであろう。「吾妻鏡」には御家人大胡太郎の記事が散見するし(建久元年一一月七日条など)、「法然上人絵伝」にも在京中に法然の勧化を受けた大胡小四郎隆義の記事が見える。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の大胡郷の言及

【大胡氏】より

…上野国勢多郡大胡郷を基盤とする在地領主。大胡郷は,大胡町を北辺とし,利根川の旧河道(現在の桃木川・広瀬川)の間および北側に広がり,前橋市幸塚・三俣から笂井(うつぼい)・小屋原に及ぶ広大な郷である。…

※「大胡郷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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