大街道(読み)おおつちかいどう

日本歴史地名大系 「大街道」の解説

街道
おおつちかいどう

盛岡城下から遠野を経て大槌町南閉伊代官所(のちの大槌通代官所)に至る街道のうち、遠野と大槌を結ぶ道。遠野側からの称で大槌側からは遠野街道といった。遠野上組かみくみ町の枡形を出ると延享元年(一七四四)道標があり、「右ハかまいし道、左ハをふつち道」と記す。早瀬はやせ川を渡って北に進んで羽根通はねとおし新張にいはり五日市いつかいち村・土淵つちぶち村を通り、栃内とちない火石ひいし(以上現遠野市)で閉伊川筋川井かわい(現下閉伊郡川井村)に向かう小国おぐに道と分れて界木さいき(標高七二九メートル)を越え、橋野はしの和山わやま上台わんだい(現釜石市)を通り、種戸たねど坂を越え小鎚こづち川沿いに下って小槌こづち村に入る。御領分中道法駄賃帳(神林文書)によると遠野城下より大槌へ一〇里一八町七間、本馬四〇〇文・軽尻二六四文・人足二〇〇文。行政的に重要な道であるとともに内陸部と沿岸部を結ぶ物資輸送の要路でもあった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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