大鳥羽村(読み)おおとばむら

日本歴史地名大系 「大鳥羽村」の解説

大鳥羽村
おおとばむら

[現在地名]上中町大鳥羽

黒田くろだ村の南方、鳥羽谷のほぼ中央に位置し、鳥羽谷道が通る。中世鳥羽庄の中心地。建久七年(一一九六)六月日付の若狭国御家人注進案(東寺百合文書)に載る「鳥羽源内定範」は当地を本貫とする者であろう。弘治二年(一五五六)六月の明通寺鐘鋳勧進算用状(林屋辰三郎氏蔵)に「卅文 大鳥羽村」とみえ、正保郷帳によれば田方四一一石余・畠方一〇〇石余。

当地と黒田の間に東へ張出す山嶺があり、その先端近い標高三四六・七メートルの山頂にきりみね城跡がある。「若狭郡県志」に「伝言鳥羽右衛門言者、領鳥羽庄七箇之村、其裔孫左衛門言者、築城於霧嶺、而拠之後為堤村之城主内藤佐渡守滅矣」とあるが、城郭としての機能を備えておらず、砦あるいは見張所といった体で、東西五五メートル、最大幅で八メートルにすぎない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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