天台山脈(読み)てんだいさんみゃく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「天台山脈」の意味・わかりやすい解説

天台山脈
てんだいさんみゃく / ティエンタイシャン

中国、浙江(せっこう)省の東部を北東から南西に走る山脈で、南は仙霞嶺(せんかれい)に連なる。甬(よう)江、曹娥(そうが)江と霊(れい)江の分水嶺。主峰の華頂(かちょう)山は天台県県城の北東にあり花崗(かこう)岩からなる。断崖(だんがい)絶壁、滝などの名勝が多く、「黄山の秀、天台の奇」といわれる。隋(ずい)代に勅命により建立された山中の国清(こくせい)寺は天台仏教の発祥地。寒山・拾得(じっとく)の二聖も国清寺に居住した。最澄(さいちょう)をはじめ円珍(えんちん)、栄西(えいさい)など多数の日本の学僧がこの地を訪れ、日本仏教に与えた影響は計り知れない。

[林 和生

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android