天寿国(読み)テンジュコク

デジタル大辞泉 「天寿国」の意味・読み・例文・類語

てんじゅ‐こく【天寿国】

極楽のことという。聖徳太子死後に行った国と伝えられる。无寿国むじゅこくの読み誤りによってできた語ともいわれる。

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精選版 日本国語大辞典 「天寿国」の意味・読み・例文・類語

てんじゅ‐こく【天寿国】

  1. 〘 名詞 〙 无寿国(むじゅこく)(=無量寿国で極楽のこと)の誤読または誤記といわれるが、また彌勒(みろく)兜率天(とそつてん)ともいい、一定しない。
    1. [初出の実例]「謂我大王応生於天寿国之中」(出典:知恩院本上宮聖徳法王帝説(917‐1050頃か))

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世界大百科事典(旧版)内の天寿国の言及

【浄土】より

阿弥陀観音【礪波 護】 日本では,飛鳥・白鳳時代の造像銘に浄土という語がみえるが,どの仏国土を意識したのか明白でない。いわゆる天寿国繡帳(てんじゆこくしゆうちよう)銘にみえる〈天寿国〉も一種の浄土を意味しているが,極楽浄土,弥勒浄土,妙喜浄土,霊山浄土,十方浄土,天竺浄土などの諸説があって定かではない。平安時代になると阿弥陀信仰,叡山浄土教が発達し,今様にも〈浄土は数多(あまた)あんなれど,弥陀の浄土ぞ勝(すぐ)れたる〉とうたわれたように,浄土といえば極楽浄土を指すようになった。…

【天寿国繡帳】より

…飛鳥時代の刺繡作品で,《天寿国曼荼羅》ともいう。聖徳太子の没後,太子をしのんで,妃の橘大郎女(たちばなのおおいらつめ)が太子の往生した天寿国のありさまを下絵に描かせ,采女(うねめ)らに刺繡させたもの。…

※「天寿国」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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