天王塚古墳(読み)てんのうづかこふん

日本歴史地名大系 「天王塚古墳」の解説

天王塚古墳
てんのうづかこふん

[現在地名]益子町益子 荒久台

百目鬼どうめき川北方丘陵の南西斜面に分布する荒久台あらくだい古墳群の主墳(一号墳)で、当地方を代表する古墳時代後期の前方後円墳。荒久台古墳群は一号墳のほかはすべて円墳。当古墳が調査された昭和二九年(一九五四)当時は丘陵上に二九基の古墳がみられたが、現在では一八基が幅約一〇〇メートル・長さ約四〇〇メートルの範囲に分布している。天王塚古墳は古墳群の最頂部(標高一一一メートル)に位置し、前方部を西南西に向け自然地形を巧みに利用して占地されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の天王塚古墳の言及

【千塚】より

…岩橋千塚を有名にしたのは,結晶片岩を平積みにして構築した横穴式石室の特異な構造で,奥壁から突出した石棚は他の地方にもあるが,左右両側壁の間に架け渡した石梁の存在は他に類を見ない。この種の横穴式石室は,岩橋千塚のなかで丘陵の最高部を占めた天王塚古墳(全長86m),大日山35号墳(73m),大谷山22号墳(63m),将軍塚古墳(42.5m)などの比較的大型の前方後円墳にも用いているので,5世紀末から6世紀前葉にかけて流行し,それがこの千塚の最盛期であったことを教えている。石室内に残存した須恵器や,墳丘から出土した形象埴輪にも重要なものがある。…

※「天王塚古墳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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