央(漢字)

普及版 字通 「央(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 5画

[字音] オウ(アウ)・エイ
[字訓] まんなか・なかば・つきる

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 象形
〔説文〕五下に「中なり」(段注本)とし、字形について「大に從ひ、冂(けい)のに在り。大は人なり」という。冂を〔説文〕に郊野と解するから、内とは都城の意とするものであろうが、また「央・旁は同なり」とし、「一に曰く、久なり」ともあって、要領をえがたい。字は人の首に枷(かせ)を加えた正面形で、殃の初文。首に加えるので中央の意となる。

[訓義]
1. まんなか。
2. 中半の状態、なかば。
3. 中半をすぎて、つきる、やむ。
4. ひさしい。
5. 近世語。もとめる。

[古辞書の訓]
名義抄〕央 ツク・ナカバ 〔字鏡集〕央 ナカバ・ツク・ヒサシ

[声系]
〔説文〕に央声として(英)・殃・・秧・怏・泱など十六字を収める。中からもり上がり、勢いづくという基本義をもつものが多い。

[語系]
央・泱・殃iangは同声。ongは声近く、〔説文〕十一上に「泱はなり」とあり、水勢のさかんな意。ongに鬱の意がある。央・(翁)の声義に通ずるところがある。

[熟語]
央央央求央極央告央請央託・央央煩央亡
[下接語]
中央・未央・無央・夜央

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報