国指定史跡ガイド 「奥山荘城館遺跡」の解説
おくやまのしょうじょうかんいせき【奥山荘城館遺跡】
新潟県胎内(たいない)市あかね町・本郷町、新発田(しばた)市加治川にある中世の荘園跡。東国を代表する荘園の奥山荘に形成された城館遺跡・信仰関係遺跡・生産遺跡など13ヵ所が、1984年(昭和59)に国の史跡に指定された。城館遺跡である江上館跡は、旧中条町の南部、旧潟湖に隣接する扇状地の扇端部、標高約18mの微高地にあり、三浦和田氏の惣領家である中条氏の居館跡と伝えられている。1991年(平成3)から行われた継続的な発掘調査では主郭とそれに付属する南郭・北郭からなる館跡の全体像がほぼ判明した。13世紀から16世紀前半の中国陶磁器・珠洲(すず)焼なども大量に出土し、4ヵ所の橋跡、南門・北門跡、数次にわたる堀・土塁の改修補強の様相が確認されたことから、2006年(平成18)に追加指定された。付近には奥山荘歴史の広場が整備され、復元された江上館と遺物などを展示する歴史館がある。JR羽越本線中条駅から車で約20分。