朝日日本歴史人物事典 「奥愛次郎」の解説
奥愛次郎
生年:慶応1.2.7(1865.3.4)
広島藩領の現広島県双三郡吉舎町の商家に生まれた。母は故あって幼少のときに家を出た。白石照山の塾などを経て,明治18(1885)年慶応義塾に入学。病気のためほどなく退学。27年,吉舎町に私立中学校日彰館を創立し,慶応義塾での後輩宮沢 順定 らの協力を得てその発展に尽力した。多数の著名人を説得して彼らの揮毫を求めて換金する方法で学校基金を創った。初対面の人を説いて自分の理想に賛同させる「篤志熱誠の人」(島田三郎の弔辞)であった。業半ばで没す。<参考文献>日彰館創立六十年記念会『日彰館創立者奥愛次郎先生事績』
(坂井達朗)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報