女史箴図巻(読み)じょししんずかん(その他表記)Nü-shi-zhen-tu-juan

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「女史箴図巻」の意味・わかりやすい解説

女史箴図巻
じょししんずかん
Nü-shi-zhen-tu-juan

中国,西晋張華撰の『女史箴』を,宮廷に仕える女性への勧戒の目的をもって図示した,顧 愷之 (こがいし) 筆の伝称をもつ図巻。大英博物館蔵。現在9場面より成るがもと 11図あり,初めの2図と現行第1図の詞書は北宋時代にはすでに失われていた。作者を顧 愷之とする伝称も北宋末期に付されたもの。繊細な描線や,ことに第3図の山水図は六朝時代の様式を強く示すと思われるが,衣のぼかしなどには初唐の特徴もみられることから,本図巻を六朝時代の作品の初唐模本とする説が有力である。

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