女四書(読み)オンナシショ

デジタル大辞泉 「女四書」の意味・読み・例文・類語

おんな‐ししょ〔をんな‐〕【女四書】

女性のための教訓書4種を集めたもの。
江戸前期に辻原元甫つじはらげんぽ和訳した「女誡じょかい」「女論語」「内訓」「女孝経」の4種。明暦2年(1656)刊。
中国、清代に王晋升おうしんしょう王相)が編修した「女誡」「女論語」「内訓」「女範」の4種。康熙こうき年間(1662~1722)成立。のちに、西坂天錫にしざかてんしゃくが和訳。

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精選版 日本国語大辞典 「女四書」の意味・読み・例文・類語

おんなししょをんなシショ【女四書】

  1. 女性のための有名な教訓書四種を集めたもの。
  2. [ 一 ] 中国清の王晉升(おうしんしょう)注釈、編集した「女誡(じょかい)」(後漢の曹大家著)、「女孝経」(唐の陳邈(ちんばく)の妻鄭氏著)、「女論語」(唐の宋若莘(そうじゃくしん)著)、「女範(じょはん)」(王晉升の母劉(りゅう)氏著)。
  3. [ 二 ] 江戸前期の仮名草子。七巻四冊。明暦二年(一六五六)刊。辻原元甫作。「女誡」「女論語」「内訓」「女孝経」を翻訳、要約し、時に「列女伝」等の説話を加えて仕立てられた女訓書。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「女四書」の意味・わかりやすい解説

女四書(おんなししょ)
おんなししょ

儒家の経典たる四書に倣ってつくられた女訓書集。17世紀、明(みん)末の王相(おうしょう)編と称するものは、後漢(ごかん)の班昭著『女誡(じょかい)』、唐の伝宋尚宮(そうしょうきゅう)著『女論語(じょろんご)』、明の仁孝文(じんこうぶん)皇后著『内訓(ないくん)』、明の王相の母劉(りゅう)氏著『女範捷録(じょはんしょうろく)』を収めるが、これとは別に、日本では1656年(明暦2)辻原元圃(げんぽ)が、『女範捷録』のかわりに唐の侯莫陳邈(こうばくちんばく)(侯莫陳は三字姓)の妻鄭(てい)氏の『女孝経(じょこうきょう)』を入れて、和文の改作本をつくっている。王相編本は、幕末に西坂天錫(にしざかてんしゃく)が句読、補注を施して翻刻され、辻原編本は、明治初期に若江秋蘭(しゅうらん)が所収作品を漢文原作本に戻し、和文の箋注(せんちゅう)を付して刊行された。『女四書』は明治・大正の良妻賢母主義教育の推進のもとでいっそう普及、注釈書の出版が一時相次いだ。

[山崎純一]


女四書(じょししょ)
じょししょ

女四書

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