妊婦梅毒(読み)にんぷばいどく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「妊婦梅毒」の意味・わかりやすい解説

妊婦梅毒
にんぷばいどく

妊婦検診によって発見される梅毒で、大部分先天梅毒であり、本人が梅毒に感染していることを全然自覚せず、臨床症状もなく、梅毒血清反応が陽性であることだけで確認される。一般梅毒と同様に弱毒潜伏、無症状型が多く、かつてのように胎児を侵襲するほどの病原力はない。したがって、流産早産死産および生後死亡は激減し、駆梅してもこの面からの効果はみられないのが現状である。しかし、胎児が絶対に感染していないという保証はない。

 妊娠中に駆梅することは、胎児感染の防止や既感染の治療、および母体の治療に役だつが、完全治癒のためには分娩(ぶんべん)後も追跡する必要があり、母体は陰性化するまで引き続き治療を行うべきで、出生児のフォローアップも欠かせない。なお、結婚時の血液検査の励行は妊婦梅毒の予防となる。

[新井正夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む