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先天梅毒 せんてんばいどくcongenital syphilis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

先天梅毒
せんてんばいどく
congenital syphilis

胎生期に胎盤を経て母体から感染し,新生児期あるいは小児期に発病する梅毒をいう。梅毒トレポネーマに感染した胎児の多くは死亡するが,母体が既療梅毒患者であったり,妊娠2~3ヵ月で梅毒患者となった場合には,罹患児が出産される場合がある。早期先天梅毒と晩発性先天梅毒とに大別される。 (1) 早期先天梅毒 生下時すでに現れていたり,直後に現れる新生児梅毒をいう。皮膚,粘膜の病変のほかに,貧血,肝脾腫,鼻炎,肺炎,肝炎,骨軟骨炎,骨周囲炎,口唇の丘疹浸潤局面,脱毛,爪囲炎などがみられる。 (2) 晩発性先天梅毒 学童期,思春期に入って発病する梅毒。角膜炎,関節炎,ゴム腫,神経病変などがみられる。また,ハッチンソン歯,角膜実質炎,内耳性難聴から成るハッチンソンの3徴候が認められる。

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デジタル大辞泉の解説

せんてん‐ばいどく【先天梅毒】

胎児が母親の胎内にある間に感染した梅毒。遺伝性梅毒。

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百科事典マイペディアの解説

先天梅毒【せんてんばいどく】

胎児が子宮内で,胎盤を通じて梅毒に感染したもの。多くは子宮内で死亡し,流産,早産する。出生時に症状のある胎児梅毒では,発育栄養不良で,梅毒性骨軟骨炎,肝臓や脾臓腫大がある。

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家庭医学館の解説

せんてんばいどく【先天梅毒】

 妊娠(にんしん)している女性が梅毒にかかると、胎盤(たいばん)経由でスピロヘータがおなかの赤ちゃんに感染します。
 妊娠前半にお母さんが梅毒にかかった場合は、胎児(たいじ)梅毒となり、死産になることが多いものです。
 妊娠後半期にお母さんが梅毒にかかると、出生までは何の症状もなく、出生後、乳児期や幼児期に第2期梅毒の症状が現われてきます(乳児梅毒、幼児梅毒)。
 ときには、学童期~思春期になって、実質角膜炎(じっしつかくまくえん)、内耳性難聴(ないじせいなんちょう)、ハッチンソン歯牙(しが)などの症状が現われることもあります(遅発性(ちはつせい)先天梅毒)。
●予防
 お母さんの梅毒がおなかの赤ちゃんに影響するのは、妊娠4か月以降です。妊娠中の定期健診をきちんと受け、梅毒が発見されたらきちんと治療を受けましょう。これで先天梅毒は防げます。

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大辞林 第三版の解説

せんてんばいどく【先天梅毒】

胎児のとき、母親の胎内で感染した梅毒。出生後に症状が現れる。先天性梅毒。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

先天梅毒
せんてんばいどく

先天性梅毒ともよばれ、梅毒スピロヘータが胎盤を経て母体から胎児に達しておこる伝染性疾患である。梅毒スピロヘータが胎盤を通過する妊娠16週から20週以前に母体の梅毒を十分に治療すれば、胎児への感染は予防できる。
 小児の先天梅毒は、発病時期によって次のように分けられる。
(1)胎児梅毒 妊娠後期の胎児死亡の原因となる。肝脾腫(ひしゅ)、肺炎、皮膚症状をもったまま出生する。母親が梅毒を未治療の場合、約40%に胎児梅毒がみられる。
(2)乳児梅毒 出生時は一見、正常にみえるが、生後3週間から3~4か月で発症する。全身症状は、栄養状態不良、顔面蒼白(そうはく)、不安および不機嫌で、発熱がときにみられる。皮膚症状は、びまん性皮膚浸潤で、皮膚は肥厚して弾力を失い、暗赤色を呈する。斑(はん)状丘疹(きゅうしん)が顔面から四肢に広がり、淡紅色から暗赤色となる。水疱(すいほう)(天疱瘡(てんぽうそう))がみられることもある。骨症状は、長管骨骨端部に骨膜炎や骨軟骨炎をおこし、X線検査で特徴的な像が高率に認められる。内臓には、肝脾腫やリンパ節腫脹(しゅちょう)がみられ、中枢神経系に梅毒性髄膜炎、脳水腫、脳梅毒をおこすことがある。
(3)幼児再発梅毒 生後2~4年の幼児期に現れるもので、扁平(へんぺい)コンジローム(扁平コンジローマ)と口腔(こうくう)粘膜白斑がみられる。
(4)遅発梅毒 学童期(6~8歳)以後に出現する。骨、目、中枢神経系に変化がみられる。実質性角膜炎、ハッチンソンHutchinson歯牙(しが)、内耳性聾(ろう)の三症状は、従来ハッチンソンの三徴として遅発梅毒の代表的症状とされている。[山口規容子]

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