日本の城がわかる事典 「姉帯城」の解説 あねたいじょう【姉帯城】 岩手県二戸郡一戸町にあった中世の山城(やまじろ)。南部氏の一族の姉帯氏の居城。姉帯の集落の南東約1kmの山中にあり、2つの郭とそれを隔てる空堀や土塁の跡が残っている。姉帯氏は1591年(天正19)の九戸政実(くのへまさざね)の乱で、血縁関係にあった九戸氏の側につき、三戸南部氏や奥州仕置の豊臣秀吉の軍勢に敵対した。同年9月1日、姉帯城主の姉帯大学兼興は、一族郎党と近隣の諸豪族200名あまりで城に立て籠もって蒲生氏郷(がもううじさと)を総大将とする豊臣勢2万8000人を迎え撃ち、凄絶な戦闘の後、兼興はじめ大半の将兵が討ち死にし、姉帯城は落城した。その後、一戸南部氏の一族の野田氏が入城したが、翌1592年(天正20)に城は破却された。 出典 講談社日本の城がわかる事典について 情報