普及版 字通 「姜」の読み・字形・画数・意味
姜
9画
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 形声
羌(きょう)の下部を女にかえ、羌人出自の姓であることを示す。羌の省声。〔説文〕十二下に「農、姜水に居り、以て姓と爲す」と水名とするが、種族の名によって水名をえたものであろう。神農炎帝を以て姜姓の始祖とすることは〔国語、晋語四〕にみえるが、卜文に岳の字形を山上に羊頭を加えた形に作り、その岳神伯夷が姜姓諸族の始祖である。許由・皋陶(こうよう)は許・皋の地で祀られる伯夷の異名。夷・由・陶は同じ音系の字。姜姓の神話を経典化した〔書、呂刑〕に、伯夷降典のことをしるし、〔尭典〕〔舜典〕〔皋陶〕にみな同系の説話がある。姜姓は姫姓の周と通婚しており、殷代には厳しい弾圧を受け、その聖地の岳(嵩嶽(すうがく))も殷の制圧下にあった。周の武王が殷を伐つとき、伯夷・叔斉がこれをおし止めようとしたのは、そのためである。のち周の王朝となり、申・呂(甫)・許・斉の四国が建てられ、申・呂は周の雄藩であった。
[訓義]
1. 姜姓、また姜水の名。
2. 彊と通じ、つよい。
[語系]
姜kiang、彊(強)giangは声近く、仮借通用する。〔詩、風、鶉之奔奔〕の「鵲の彊彊たる」を、〔礼記、表記〕に引いて「鵲の姜姜たる」に作る。
[熟語]
姜▶・姜原▶・姜戎▶・姜尚▶
[下接語]
季姜・姫姜・周姜・庶姜・諸姜・斉姜・大姜・孟姜・邑姜・呂姜
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報