日本大百科全書(ニッポニカ) 「嫁入り人形」の意味・わかりやすい解説 嫁入り人形よめいりにんぎょう 香川県高松市産の郷土玩具(がんぐ)。この地方では、昔嫁入りの際、小さな土人形を嫁入り道具に加え、婚家先の近所の子供たちに手土産(みやげ)として与える風習があった。その土人形の種類は、狆鯛(ちんたい)、鯛戎(えびす)、天神、福助など数十種がある。狆鯛が多くみられるのは、犬の多産にちなむ縁起による。この風習は明治末期ごろになくなった。のち、土人形にかわって張り子製のものが現れ、このなかの鯛戎は、1959年(昭和34)に年賀切手の図案に採用された。[斎藤良輔] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例