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子宮頸がん しきゅうけいがん Cancer of the Uterine Cervix

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家庭医学館の解説

しきゅうけいがん【子宮頸がん Cancer of the Uterine Cervix】

[どんな病気か]
 従来、子宮頸がんで死亡する女性が、他の婦人科がん(子宮体がん、卵巣(らんそう)がん(「卵巣がん」))で亡くなる女性より多かったために、定期検診が普及しました。そして、この検診によって早期発見が可能となり、子宮頸がんの死亡率は、年々低下しています。
 また、子宮頸がんは治癒率(ちゆりつ)の高いがんで、進行期0期であれば100%治ります。がんが進行するほど治る率は低くなりますが、定期的に検診を受けていれば、早期のうち、あるいは前がん状態、すなわち子宮頸部異形成(しきゅうけいぶいけいせい)(「子宮頸部異形成」)の状態のうちに発見できます。
 ですから、子宮頸がんの場合、定期検診がもっとも有効な診断法なのです。
[原因]
 子宮頸がんになりやすい女性のタイプには、早婚、不特定多数の性パートナーがいる、不潔な性生活、多産などがあげられます。
 なぜこれらのタイプが子宮頸がんになりやすいかというと、HPV(パピローマウイルス。イボウイルスの一種)による感染が大きな原因の1つだからです。若いころから多くの男性と性交渉をもつと、HPVに感染する率が高くなります。このウイルスは、妊娠中に感染しやすい傾向があります。ただし、HPVが好んで感染する部位は子宮頸部なので、性行為以外での感染は少ないといえます。
 そのほか、家族に子宮頸がんにかかった人がいると、がんが発生する可能性が高くなりますので、必ず検診を受けるようにしましょう。
 また、子宮頸がんは40~50歳の女性にもっとも多く発生するがんですが、60歳代の高齢者にも多いので注意してください。
[症状]
 早期の子宮頸がんは、進行がゆっくりしていて、自覚症状もほとんどありませんから、定期検診で見つけることが必要です。
 しかし、進行すると、性交時の出血、不正性器出血、おりものの増加や血性(けつせい)おりものがみられるようになります。
[検査と診断]
 初期の子宮頸がんは自覚症状が少ないので、定期検診を受けるようにしてください。
 検診のしくみは、一次検診として、内診と細胞診(さいぼうしん)による検査を行ないます。これは痛みもなく、短い時間で簡単にできます。
 細胞診で異常があったときには、二次検診として精密検査を行ないます。精密検査は、コルポスコープ拡大鏡)で見ながら病変部の組織を少量とり、顕微鏡で詳しく見る組織検査です。このとき多少の痛みと出血があります。
 定期検診以外でも、子宮頸がんの診断には、内診、細胞診、コルポスコープ、組織検査が行なわれます。
[治療]
 図「子宮頸がんの進行期分類と治癒率」の進行期0~Ⅱ期には、手術療法が主体となります。
 0期には、子宮頸部だけを円錐状(えんすいじょう)にけずる方法(未婚女性や妊娠・出産を希望する女性が対象)や、子宮全摘術(しきゅうぜんてきじゅつ)が行なわれます。
 Ⅰ期は、軽いⅠa期と、少し進んだⅠb期の2群に分けられ、Ⅰa期では準広汎性子宮全摘術(じゅんこうはんせいしきゅうぜんてきじゅつ)、Ⅰb期では広汎性子宮全摘術(こうはんせいしきゅうぜんてきじゅつ)が行なわれます。
 どちらも子宮の周囲組織をつけてとり去る手術で、そのとる広さが、準広汎性は子宮寄りで少なく、広汎性は骨盤骨(こつばんこつ)寄りで広く摘出します。どちらも手術後尿が出にくくなりますが、1か月ほどでほぼもとの状態にもどります。
 Ⅲ期やⅣ期では、放射線治療が主体で、ときには抗がん剤も使われます。
 放射線は、少しずつ照射するので6週間ぐらいかかります。その照射法は、腹部の周囲から5分間程度行なう体外照射法と、腟内に器具を入れて行なう腔内(くうない)照射法があり、この2つを組み合わせて行なわれます。
 子宮頸がんは、これらの治療法でよく治りますが、なかには治りにくいものもあります。それは腺(せん)がんです。
 子宮頸がんは、顕微鏡で見た細胞の形によって、おもに扁平上皮(へんぺいじょうひ)がんと腺(せん)がんに分けられます。現在は、子宮頸がんのうち、扁平上皮がんが85%、腺がんが15%の割合になっています。
 腺がんは、早期にリンパ節へ転移しやすく、また放射線が効かないため、治る率が扁平上皮がんより低いのです。しかし、腺がんでも0期には100%治るので、早期診断が非常に重要です。
 どちらにしても、子宮頸がんでもっともたいせつなことは、早期に見つけることです。症状がなくても、ぜひ定期検診を受けるようにしましょう。

出典|小学館
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それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。この事典によって自己判断、自己治療をすることはお止めください。あくまで症状と病気の関係についてのおおよその知識を得るためのものとお考えください。

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

子宮頸がん

子宮の入り口(頸部〈けいぶ〉)周辺に生じるがん。日本では年約1万人に見つかる。患者の9割がヒトパピローマウイルス(HPV)に感染しており、感染が発症リスクを高めるとされる。月経時以外の出血やおりものの増加、月経血の増加や期間が長引くなどの症状が出るが、患者が異常に気づかない間に進んでいることが多い。がん細胞になる前の「異形成」という状態を経るため、検診で細胞を調べれば早期に見つけることが可能。20歳以上の女性は2年に1度の検診が推奨されている。

(2015-04-21 朝日新聞 朝刊 生活1)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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