普及版 字通 「宀」の読み・字形・画数・意味


3画

[字音] ベン・メン
[字訓] やね・おおう

[説文解字]
[金文]

[字形] 象形
屋根が左右に深く垂れている形。〔説文七下に「すること深き屋なり。象形」という。〔段注〕に「古は屋は四、東西と南北と、皆するなり」とするが、殷代の遺構から考えられる建物はみな切妻形式のものである。卜文に宀に従うものは約七十字、宮宗室の字をはじめ、家・安などもみな平常の住居ではなく、祭祀儀礼を行う場所であった。家は犬牲を埋めて基とし、祖霊を祀るところ、安は新婦が鬯(かんちよう)を行って祖霊の慰安を受け、その族に加わることを許される儀礼を示す字であった。

[訓義]
1. やね、深くおおうやね。
2. おおう。

[古辞書の訓]
立〕宀 ヤ 〔字鏡集〕宀 スクナシ・イヘ

[部首]
〔説文〕に家・宅・室・宣以下七十字、〔新附〕に・寰など三字を属し、また宮部に宮・營(営)の二字を属する。〔玉〕宀部には百三十二字を属し、宮部は〔新附〕に同じ。

[語系]
冖・myekは敝・biatと声義の関係がある。奥深いところ。その屋根のあるものを宀mianという。またmianは同声。〔説文〕四上に「宀宀、見えざるなり」とあり、邊(辺)は祭梟(さいきよう)(首祭)によって呪禁を加える意、霊のあるところをいう。

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android