宅間村(読み)たくまむら

日本歴史地名大系 「宅間村」の解説

宅間村
たくまむら

[現在地名]今治市宅間

現今治市北西端の村。北は樋口ひのくち(現越智郡波方町)、西は九王くおう(現越智郡大西町)に接する。村の南部を品部しなべ川が流れ、中央の谷間を流れる本川を合わせる。緩い丘陵地の間を樹枝状に水田が広がり、人家は丘陵端に密集している。

付近には弥生期の遺跡や古墳が多く、藪の塚穴は古くから知られる。「和名抄」の野間のま郡内に宅万たくま郷があり、多久万(高山寺本)と訓じている。建長八年(一二五六)三月六日付検注所下文(大山積神社文書)に「下 留守所 可早奉免進 諸山社二季御祭御供田事 合弐町内 宅万郷揚田里廿五坪参段佰弐拾歩」とあり、権神主の申状により、留守所に宅万郷内の田地の免進を命じており、また同郷に条里制が施行されていたことを示している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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