宇原庄
うはらのしよう
京都郡内に所在した宇佐宮弥勒寺領庄園。現苅田町北部の馬場にある宇原神社が当庄の鎮守社だったとされることから、馬場を含めた一帯に比定される。「本朝世紀」長保元年(九九九)三月七日条によると、弥勒寺講師の長祐は長徳四年(九九八)九月に京都郡賀田郷(刈田郷か)で雨米が降るという奇瑞が発生したことを、宇原庄において蒭野庄(草野庄、現行橋市)前検校早部(日下部)信理から聞き及んでいる。弥勒寺講師が往来していることから、当庄はこの頃すでに弥勒寺の所領となって、周辺の弥勒寺領のうちで中核的位置を占めていた可能性が強い。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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