宇宙ニュートリノ(読み)うちゅうニュートリノ(その他表記)cosmic neutrino

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「宇宙ニュートリノ」の意味・わかりやすい解説

宇宙ニュートリノ
うちゅうニュートリノ
cosmic neutrino

宇宙線や天体起源をもつニュートリノ。宇宙線と原子核との衝突で発生した荷電π中間子の崩壊の際に生じるμニュートリノは原子核との相互作用がきわめて弱く,大部分は地球を貫通するが,地下でわずかに生じたμ粒子が観測される。太陽中心部の核融合反応の際に生じる電子ニュートリノの原子核との相互作用はさらに弱い。地下深くに大量の二塩化炭素 C2Cl4 を置くと,37Cl とわずかに反応して放射性同位元素 37Ar をつくり,37Ar の崩壊時の X線が検出される。進化の進んだ段階にある星からは多量の電子ニュートリノが放出され,それによるエネルギー損失は光によるエネルギー損失と比べて炭素燃焼段階では数十倍,酸素やネオン燃焼段階では 1000倍にも達し,星の進化を速める。

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