宇文愷(読み)うぶんがい(その他表記)Yǔ wén Kǎi

改訂新版 世界大百科事典 「宇文愷」の意味・わかりやすい解説

宇文愷 (うぶんがい)
Yǔ wén Kǎi
生没年:555-612

中国,隋代,朔方(さくほう)(陝西省横山県西)の人。字は安楽。建築,土木を主とする高級官僚技術者。文帝のもとで新都大興(唐の長安前身)の都市計画を主導し,渭水と黄河を結ぶ広済渠開削,仁寿宮の建設を総督煬帝(ようだい)のもとで東都(唐の洛陽の前身)の建設を主導し,将作大匠から工部尚書となった。また長城の修築,高句麗征伐の浮橋の架設輿服の制定,漏刻(水時計)の設計も担当した。大興の都市計画は東西対称の条里を配し,宮殿皇城を中央最北に置く斬新な創案であった。煬帝の北巡のとき数千人を収容できる大テントや数百人を収容して輪軸で回転させる観風行殿をつくった。東都の乾陽殿は豪華な装飾をきわめ,観文殿には機械じかけの自動扉も設けられた。明堂建設計画にも加わり,古典文献による復元的な設計案と模型を奏上した。その際の《明堂議表》が《隋書》に見えるが,《東都図議》《釈疑》などの著作は失われた。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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