宇治達郎(読み)ウジ タツロウ

20世紀日本人名事典 「宇治達郎」の解説

宇治 達郎
ウジ タツロウ

昭和期の医師 (医)宇治病院理事長。



生年
大正8(1919)年11月25日

没年
昭和55(1980)年11月27日

出生地
長野県

学歴〔年〕
東京帝国大学医学部〔昭和18年〕卒

学位〔年〕
医学博士〔昭和25年〕

主な受賞名〔年〕
吉川英治文化賞(第24回)〔平成2年〕

経歴
軍医候補生として中国従軍。復員後東大病院分院外科副手となり、昭和23年林田健男助教授のもとで胃カメラ開発に着手。オリンパス光学工業技師の杉浦睦夫深海正治らと共同で25年末完成した。世界に先がけるもので、作家吉村昭が小説「光る壁画」で取り上げた。26年胃カメラによる胃内撮影を資料にまとめ学位論文とした。その後大宮市の開業医である父のもとへ帰った。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「宇治達郎」の解説

宇治達郎 うじ-たつお

1919-1980 昭和時代後期の医師。
大正8年11月25日生まれ。昭和25年東大病院の副手のとき,オリンパス光学工業技師の杉浦睦夫,深海正治とともに,胃カメラを世界ではじめて完成させた。昭和55年11月27日死去。61歳。平成2年吉川英治文化賞。埼玉県出身。東京帝大卒。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の宇治達郎の言及

【内視鏡】より

…しかし,この程度の曲りでは盲点も多く,使用には高度の技術を必要とした。そこで東京大学の宇治達郎(1919‐80)はオリンパス光学工業の杉浦睦夫,深海正治らの協力を得て,50年に胃のなかに挿入して撮影できる小さい写真機を発明して胃カメラgastrocameraと名づけた。胃カメラでは胃の内部を直接に見ることはできなかったが,約30枚のカラー写真におさめることができた。…

※「宇治達郎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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