宇治野村(読み)うじのむら

日本歴史地名大系 「宇治野村」の解説

宇治野村
うじのむら

[現在地名]中央区中山手通なかやまてどおり六―八丁目・下山手通しもやまてどおり六―九丁目・楠町くすのきちよう一丁目・同三丁目・同八丁目・北長狭通きたながさどおり八丁目・元町通もとまちどおり七丁目

花熊はなくま村の西、六甲ろつこう山地南麓段丘上に立地する。「和名抄」所載の古代八部やたべ郡宇治郷の遺称地。嘉承二年(一一〇七)一二月日の摂津国司庁宣(九条家文書)に「宇治村石重名田畠」とみえ、橘経遠が藤原宗通に寄進した先祖相伝の地が宗通家領の宇治村石重名として立券されている。「吉記」治承四年(一一八〇)一一月二三日・二四日条によれば、安徳天皇を伴った福原ふくはら遷都の際、五条大納言藤原邦綱が「宇治」に新亭を築き「宇治御所」として利用していたようだが、二四日に宇治御所を立ち還都の途についている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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