遷都(読み)セント

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

政府の所在地を移しかえること。日本では天皇の宮城を正式に移すことに限って用いられ、幕府の開設には使われなかった。天武(てんむ)天皇のときまでは、継体(けいたい)天皇のときに幾度か移転したことを除くと、各天皇が即位するごとに宮処(みやこ)を移しかえていた。ところが、持統(じとう)天皇のとき、694年に中国の都城制を導入した藤原京に移ってから、即位とは関係なく京として固定されるようになった。元明(げんめい)天皇の710年(和銅3)に平城京へ移るが、聖武(しょうむ)天皇は740~745年(天平12~17)の間、恭仁(くに)京などを転々としている。その後、桓武(かんむ)天皇は一時長岡京に移るが、794年(延暦13)に平安京に遷都し、この後、1180年(治承4)の福原京を除くと、1869年(明治2)の東京遷都まで京都を動くことはなかった。古代においてしばしば宮城を移した理由は、旧政治勢力から離れて新政を行う、政情不安を切り抜けようとする、人心を一新する、などの意図をもち、さまざまの政治的背景によるものであった。

[明石一紀]

『村井康彦著『古京年代記』(1973・角川書店)』

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 都をほかの地に移すこと。都をかえること。みやこうつり。
※続日本紀‐文武四年(700)三月己未「後遷都平城也」
※平家(13C前)五「かかる世のみだれに遷都造内裏、すこしも相応せず」 〔春秋左伝注‐隠公八年〕

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