安心院庄(読み)あじむのしよう

日本歴史地名大系 「安心院庄」の解説

安心院庄
あじむのしよう

中世、宇佐大宮司安心院氏が支配していた地域をさす呼称で、本家・領家などが定められた庄園ではなかったと考えられる。「宇佐郡地頭伝記」によると、安心院公泰は妻垣つまがけしよう・上荘・新原にいばる木裳きのも下市しもいち折敷田おしきだ上市かみいち古市ふるいち大仏だいぶつ龍王りゆうおう大口田おくつた松本まつもと板場いたば東椎屋ひがししや萱籠かやごもり(現安心院町)の一六ヵ村の地頭職を兼ね、これを安心院庄と称したというが、「安心院町誌」はこれらの村々から新開しんがい庄の範囲である荘・新原・木裳・上荘を除外した地域とする。承和一一年(八四四)六月一七日の宇佐八幡宮弥勒寺建立縁起(石清水文書)に「都麻垣比大御神」(現安心院町妻垣神社)が「安心別倉」の東方高岳に鎮座するとするのが安心院(安心)の地名のみえる比較的早期の史料で、長保五年(一〇〇三)八月一九日の宇佐八幡宮司解(同文書)には、宇佐宮行幸会豊前国八ヵ社の一として「安心院」がみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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