殺生禁断(読み)セッショウキンダン

デジタル大辞泉の解説

せっしょう‐きんだん〔セツシヤウ‐〕【殺生禁断】

生き物を殺すのを禁じること。特に、仏教の慈悲の精神から鳥獣の狩猟や殺生を禁じること。「殺生禁断の地」

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世界大百科事典 第2版の解説

せっしょうきんだん【殺生禁断】

仏教の戒律のなかで不殺生戒(ふせつしようかい)はもっとも重いので,一般俗人も仏教の信仰に入れば,これを犯さない誓いを立てた。その信者が国王であったり,地方の支配者であれば,その領内の民にも不殺生戒を強制的にまもらせたのが殺生禁断である。これは単に不殺生戒というだけにとどまらず,功徳(くどく)を積むことによって仏の加護を得,現世は安穏に来世は往生できるようにとの願いがこめられている。そのために日本人は四つ脚の動物を食べない菜食民族になったといわれるが,これはむしろ日本人の動物観に,熊や猪や鹿,猿,狐などを神の化身とする化身動物観のためとすべきで,鳥や魚の殺生食用はさまたげなかった。

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大辞林 第三版の解説

せっしょうきんだん【殺生禁断】

仏教の慈悲の精神に基づいて、生き物を殺すのを禁ずること。 「 -の聖域」

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精選版 日本国語大辞典の解説

せっしょう‐きんだん セッシャウ‥【殺生禁断】

〘名〙 生き物を殺すことを禁じること。仏教の慈悲の精神などから、鳥獣・魚などの狩猟・殺生を禁じること。殺生禁制。
※栂尾明恵上人伝記(1232‐50頃)下「此の山は三宝寄進の所たるに依て、殺生禁断(セッシャウキンダン)の地なり」

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