安満岳(読み)やすまんだけ

日本歴史地名大系 「安満岳」の解説

安満岳
やすまんだけ

平戸島の北西部にある山嶺。同島で最も高い山で、標高五一四・三メートル。山頂白山権現(現白山神社)があり、その下に西禅さいぜん(現坊方町)があったが、明治初年に廃された。山内には五輪塔が六基分(うち安山岩質凝灰岩製五基・花崗岩製一基)、宝篋印塔(安山岩質凝灰岩製)が九基分あり、南北朝期後半から室町前期に若狭国など畿内近国で製作されたと考えられるものを含み、日本海ルートによるこれら石塔の回漕とそれを担う海民の存在が想定されている。また室町後期とされる佐賀型石塔もみられるほか、白山権現の神殿裏手にはいわゆる薩摩塔が一基あり、九州の石塔文化の浸透もみられる。

一五五八年(永禄元年)平戸に滞在していたイエズス会のヴィレラ神父は生月いきつき(現生月町)たく島・獅子しし飯良いいら春日かすがなどで説教を行い、改宗を進めていくに伴って、各地の寺社から仏像を集めさせ、うずたかく積上げては大きな篝火として焼却することを繰返した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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