平戸市(読み)ひらど

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「平戸市」の解説

平戸〔市〕
ひらど

長崎県北西部,平戸島,生月島,的山大島,度島(たくしま),北松浦半島北西岸にまたがる市。1955年平戸町と中野村,獅子村,紐差村(ひもさしむら),中津良村(なかつらむら),津吉村(つよしむら),志々伎村(しじきむら)の 6村が合体して市制。2005年生月町,田平町,大島村と合体。平戸島北東岸の中心市街地は江戸時代に平戸藩松浦氏の城下町として発達,平戸港は天文19(1550)年のポルトガル船来航以来,約 90年間,ポルトガル,オランダ,イギリスなどとの貿易港として栄えた。港付近には国指定史跡の平戸和蘭商館跡(→オランダ商館)や常灯の鼻など貿易港時代の遺跡や,聖フランシスコ・ザビエル記念聖堂(平戸ザビエル記念教会。→ザビエル)などキリシタン関係の遺跡のほか,平戸城(亀岡城),亀岡神社,最教寺,光明寺など多くの古社寺がある。平戸島北西岸の谷間には隠れキリシタンの村で棚田の美しい春日集落と山岳信仰の対象である安満岳(やすまんだけ。534m)が,島の北部沖合いにはキリシタン殉教地の中江ノ島があり,いずれも 2018年「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産として世界遺産の文化遺産に登録された。北松浦半島側から平戸瀬戸を望む田平天主堂は国指定重要文化財。基幹産業は漁業で,巻網漁業や一本釣り,延縄漁などが行なわれる。平戸瀬戸のトビウオ漁は有名。農村部では畜産が中心で,平戸牛を特産するほか,米,ミカンを栽培する。黒子島原始林,阿値賀島(あじかじま),平戸礫岩(ひらどつぶていわ)の岩石地植物群落はいずれも国の天然記念物。平戸のジャンガラ,平戸神楽は国の重要無形民俗文化財。平戸島の北部と南部は景勝地が多く,西部の海岸沿い一帯は西海国立公園に,北部の的山大島は北松県立自然公園に属する。1977年平戸大橋が,1991年生月大橋がそれぞれかけられ,九州本土と陸続きとなった。北松浦半島部に国道204号線が通じ,平戸島内を国道383号線が縦断する。平戸港から的山大島間と度島間に定期船が運航。面積 235.08km2。人口 3万1920(2015)。

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