完顔希尹(読み)かんがんきいん(その他表記)Wan-yan Xi-yin; Wan-yen Hsi-yin

精選版 日本国語大辞典 「完顔希尹」の意味・読み・例文・類語

かんがん‐きいんクヮンガンキヰン【完顔希尹】

  1. 中国、金の学者。一一一九年太祖阿骨打(アクダ)の命で楷書にならって女真文字を作った。熈宗が後に作った女真小字に対して女真大字という。ワンヤンきいん。生没年未詳。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「完顔希尹」の意味・わかりやすい解説

完顔希尹
かんがんきいん
Wan-yan Xi-yin; Wan-yen Hsi-yin

[生]?
[没]天眷3(1140)
中国,重臣。女真名は谷神,諡は貞憲。太祖ワンヤンアクダ (完顔阿骨打)挙兵以来軍功をあげた。当時の女真人のうち一流の教養人でもあり,天輔3 (1119) 年命により女真文字を作成した。同6年以来宗翰に従い,元帥右監軍として征討に活躍。また宗翰とともに第3代皇帝煕宗 (きそう) の擁立に尽力して,尚書左丞相兼侍中,開府儀同三司となったが,煕宗の補佐役らにその勢力増大を恐れられて兵権を奪われ,のち讒言により死を賜わった。

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世界大百科事典(旧版)内の完顔希尹の言及

【女真文字】より

…女真は古く〈女(じよちよく)〉(以下,便宜上〈直〉とする)とも書かれた。《金史》によると,女真人ははじめ文字がなく契丹文字を用いたが,太祖の命により完顔希尹が漢字の楷書にならい,また契丹文字の制度に拠って,女真語に合う女真文字をつくった。これを女真大字というが,1119年(天輔3)に字書ができ,太祖はこの文字を広めるように命じた。…

※「完顔希尹」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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