楷書(読み)カイショ

精選版 日本国語大辞典 「楷書」の意味・読み・例文・類語

かい‐しょ【楷書】

  1. 〘 名詞 〙 漢字の書体の一つ。行書、草書に対してくずさない書き方で、隷書(れいしょ)筆法を簡潔にしたもの。後漢の王次仲の作るところと伝えられる。正書。真書。現在一般に正式な場合の規準とされ、印刷活字の書体も、筆写の楷書の対応する形が最も普通に用いられている。→行書(ぎょうしょ)草書(そうしょ)
    1. [初出の実例]「楷書は筆法のことに云ぞ」(出典:玉塵抄(1563)二〇)
    2. [その他の文献]〔法書要録‐張懐瓘書断上〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「楷書」の意味・わかりやすい解説

楷書【かいしょ】

正書,真書とも。漢字の書体の一つで,一点一画を正確に書き,方正な形にまとめる書体。隷書から脱化して生まれたもの。漢末・三国時代ごろに芽ばえ,魏晋ごろに形成され,初唐に至って最も発達した。
→関連項目王羲之王献之欧陽詢行書虞世南祝允明鍾【よう】張旭碑碣楊凝式柳公権

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「楷書」の意味・わかりやすい解説

楷書
かいしょ

漢字の書体の一つ。真書,正書ともいう。楷の字義に,法,式,則,模などの意味があるように,一点一画を正確に書く書体。隷書から生じたもの。書道史的にみると,中国,魏の鍾 繇 (しょうよう) や東晋の書聖王羲之らにより確立され,北魏,隋の碑刻などを経て,初唐にいたり欧陽詢虞世南褚遂良 (ちょすいりょう) の3大家により空前盛観を呈した。その楷書の代表作はそれぞれ,『九成宮醴泉銘』『孔子廟堂碑』『雁塔聖教序』。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

普及版 字通 「楷書」の読み・字形・画数・意味

【楷書】かいしよ

書体の一。〔書断、八分〕(八分)本(もと)之れを楷書と謂ふ。楷は法なり、式なり、なり。

字通「楷」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

旺文社世界史事典 三訂版 「楷書」の解説

楷書
かいしょ

漢字の書体の1つで,真書・正書ともいう
後漢 (こうかん) 末に隷書 (れいしよ) から転じたくずさない標準的な書き方で,東晋の王羲之が芸術的に高めた。行書 (ぎようしよ) ・草書 (そうしよ) とともに三体といい,その中で最も一般化した。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む