宗翰(読み)そうかん(その他表記)Zong-han; Tsung-han

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「宗翰」の意味・わかりやすい解説

宗翰
そうかん
Zong-han; Tsung-han

[生]元豊2(1079)
[没]天会14(1136)
中国,の将軍。女真名はネメガ (粘没喝) 。諡は桓忠。太祖ワンヤンアクダ (完顔阿骨打)の伯父劾者の孫。天輔6 (1122) 年天祚 (てんそ) 帝追撃と西京 (山西省大同) 占領に活躍。都統として駐在し,オロ (斡魯) ,完顔希尹らを幕下としてこの方面に勢力を伸張。天会5 (27) 年宗望とともに宋都開封を攻略,宋帝らを金に拉致。その後傀儡国斉の樹立を彼の策で行い,華北経営の実権を握り,その地位はグルンボギレ (国論勃極烈) 兼都元帥にいたったが,権勢を恐れられ,同 14年煕宗が即位すると,彼は外地の行政権を奪われ,領三省事の閑職に任じられ,憂悶のうちに死んだ。

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世界大百科事典(旧版)内の宗翰の言及

【劉予】より

…一方,金軍と連合してたびたび南宋を攻撃した。しかし金の期待したほどの成果がなかったことと,劉予を支持し監督してきた金の将軍,宗翰の失脚と死が斉の命脈を絶った。37年11月,金軍は開封を占拠し,劉予を退位させ,行台尚書省を設置して華北・中原の直接統治を始めた。…

※「宗翰」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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