宗因千句(読み)そういんせんく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「宗因千句」の意味・わかりやすい解説

宗因千句
そういんせんく

宗因の俳諧連句(はいかいれんく)集。二冊。1673年(寛文13)刊。『西翁十百韻(さいおうとっぴゃくいん)』とも。71年すでに以仙(いせん)編『落花集』五冊のうちの一冊として出されていた『宗因十百韻』を独立させて刊行したもの。巻頭の「立年(たつとし)のかしらもかたい翁(おきな)かな」以下、宗因の独吟百韻10巻を収める。その作年次は、各巻ばらばらで、万治(まんじ)・寛文(かんぶん)期(1658~73)の十数年間に及ぶと推定され、談林(だんりん)風の生成過程を知るのにかっこうの手掛りとなる。書名に「宗因」の名を冠したのは、その人気に便乗した書肆(しょし)の営業策である。

[乾 裕幸]

『飯田正一他校注『古典俳文学大系3 談林俳諧集一』(1971・集英社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

関連語 集英社

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android