官底(読み)かんてい

精選版 日本国語大辞典 「官底」の意味・読み・例文・類語

かん‐ていクヮン‥【官底】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 太政官弁官局内にある大夫史を上首とする実務部門。特に文書記録を書写・保管し、これを検索利用して先例勘申や審理証人尋問などの文書事務を行なった。官文殿。
    1. [初出の実例]「又、官符之案、在官底歟」(出典:小右記‐寛仁二年(1018)一二月二〇日)
  3. 神祇官の収蔵庫。
    1. [初出の実例]「件等祭日諸社祝部等、理須祭之前会集官底、各請幣帛例供祭」(出典:類聚三代格‐一・貞観一〇年(868)六月二八日)
  4. 平安時代以降、司法に関する官衙を表現するときに用いる公家法上の用語。
    1. [初出の実例]「若徴下者、土民参官底、宜上之」(出典:公家新制‐弘長三年(1263)八月一三日・亀山天皇宣旨)

官底の語誌

「底」は、漢籍にいう草稿・案文の意で、文書案の書写・保管・利用を担当する部局通称に用いられた。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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