宛然(読み)エンゼン

デジタル大辞泉 「宛然」の意味・読み・例文・類語

えん‐ぜん〔ヱン‐〕【宛然】

[ト・タル][文][形動タリ]そっくりそのままであるさま。
「―たる列仙伝中の人物だね」〈漱石吾輩は猫である
県会は、―戦争の如き有様を呈した」〈嶺雲明治叛臣伝

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精選版 日本国語大辞典 「宛然」の意味・読み・例文・類語

えん‐ぜんヱン‥【宛然】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用タリ 〙 そっくりそのままであるさま。よく似ているさま。よく当てはまるさま。
    1. [初出の実例]「名山大水宛然是、咫尺能分千万里」(出典:経国集(827)一四・奉和清涼殿画壁山水歌〈都腹赤〉)
    2. 「昼中の景を、宛然と、ありありしく、云い出たされたる也」(出典:中華若木詩抄(1520頃)下)

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普及版 字通 「宛然」の読み・字形・画数・意味

【宛然】えん(ゑん)ぜん

さながら。そのまま。〔唐国史補、上〕山川宛然として、原野未だ改まらず。

字通「宛」の項目を見る

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