精選版 日本国語大辞典 「田岡嶺雲」の意味・読み・例文・類語
たおか‐れいうん【田岡嶺雲】
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評論家、中国文学者。本名は佐代治(さよじ)。明治3年11月21日高知県土佐郡石井村(現、高知市)に生まれる。父は下級の武士、維新後は質屋を営む。少年時代に土佐民権の運動に参加、水産伝習所(のち東京水産大学。現、東京海洋大学)を経て帝国大学の文科大学漢学科に選科生となる。在学中に山路愛山(やまじあいざん)批判や先駆的なハイネ伝や蘇東坡(そとうば)論で新進批評家として注目を受ける。卒業翌年の1895年(明治28)からは主として『青年文』誌に文芸評論を書き、日清(にっしん)戦後の「戦後文学」高揚期に樋口一葉(ひぐちいちよう)をいち早く評価し、泉鏡花、江見水蔭(えみすいいん)らの独自な作風を認めるなど、戦後の新文学を擁護して目覚ましい活動を展開、その評論集『嶺雲揺曳(ようえい)』(1899)は当時としてのベストセラーになった。高山樗牛(ちょぎゅう)の浪漫(ろうまん)主義が時流の国家主義と結び付いていたのと違って、嶺雲の浪漫主義は「詩人と人道」などという文章があることからも知られるように民衆的なヒューマニズムと結び付いていた。その後、浪漫派らしい不遇と遍歴を重ねながら、明治体制に対する批判的なデモクラティックな思想家として成熟してゆき、多くの評論集や中国文学の翻訳・研究などを出したが、評論集はそのつど発売禁止となり、大正元年9月7日に没した。彼への十分な評価はようやく第二次世界大戦後になって行われ始め、敗戦後、西田勝(まさる)(1928―2021)による『田岡嶺雲選集』(1956・青木文庫)、家永三郎(いえながさぶろう)(1913―2002)による『数奇なる思想家の生涯』(1954・岩波新書)が出された。
[小田切秀雄]
『『田岡嶺雲全集』全8巻(1969~ ・法政大学出版局)』
(中島国彦)
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1870.11.21~1912.9.7
明治期の評論家・中国文学者。本名佐代治。高知県出身。東大卒。早くから自由民権運動に接する。小柳司気太らと東洋文化の再生を訴え,雑誌「東亜説林(ぜいりん)」を創刊。投書雑誌「青年文」主筆として樋口一葉・泉鏡花をいち早く評価。文学が社会の腐敗や下層民の現実に及ぶことを求めた。のち関心は政治や社会に移り,アジア・女性の解放や天皇制打倒を訴え,中国革命家と交わった。著書「嶺雲揺曳(ようえい)」「明治叛臣伝」「数奇伝(さっきでん)」「和訳漢文叢書」。
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