実るほど頭を垂れる稲穂かな(読み)ミノルホドコウベヲタレルイナホカナ

ことわざを知る辞典 の解説

実るほど頭を垂れる稲穂かな

学問や技能が深まると、他人に対してますます謙虚になることのたとえ。

[使用例] 特等病棟の吉川先生の髪をからしていただいたけどね。本当にやさしいりっぱな先生だね。稔るほど頭のさがる稲穂かな、って言うけど、そんな感じがするわよ[遠藤周作*わが青春に悔いあり|1974]

[解説] 「俳諧・毛吹草」に「ほさつみがいればうつふくにんげんみがいればあをのく」(「ほさつ」は菩薩で、米のこと)とあり、稲が実ってくると穂を垂れるのに対し、人間のほうは地位が上になるほど態度が大きくなり、人に頭を下げたりしなくなるの意。この観察を一歩進め、じつは本当に内容のある人間は、中身が充実するほど謙虚になってほしいと願いながら、表向きはあくまで稲穂の描写として、五七五の形式で表現したのがこのことわざでしょう。稲は身近な作物であり、米が実れば大きな価値を生じるから、比喩として説得力があります。

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