日本歴史地名大系 「室山野台地」の解説 室山野台地むろやまのだいち 富山県:滑川市室山野台地現滑川市の南東部に位置する。早月(はやつき)川によって形成された標高約二〇〇メートルから三〇〇メートルの洪積世の隆起扇状地。谷を挟んだ東側にも東福寺(とうふくじ)野とよばれる台地が連なっている。新川(にいかわ)郡の広大な隆起扇状地一帯の開発は、一部を除いて灌漑技術の進歩する近世後期まで未着手の状態であった。文化年間(一八〇四―一八)の新川郡巨細絵図(県立図書館蔵)に男鹿(おじか)野と記された未開地が室山野台地にあたる。台地の最も高地に位置する室山村は、天正四年(一五七六)松倉(まつくら)城(現魚津市)の椎名氏が滅亡した際に家臣であった太郎右衛門がここに潜み、開発を進めたのが開村の端緒という(東加積村誌)。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報