家役(読み)いえやく

精選版 日本国語大辞典 「家役」の意味・読み・例文・類語

いえ‐やくいへ‥【家役】

  1. 〘 名詞 〙 中世近世の家に賦課された課役幕府大名が課すものと村などの共同体が賦課するものがあった。家役の基準としては、家の大小のほか、その家の負担能力があった。棟役在家役などともいう。
    1. [初出の実例]「民の家をば家やくせぬ者を遊戸と云ぞ」(出典:玉塵抄(1563)二七)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の家役の言及

【中世社会】より

…逆にいえば,村請制によって村が村民を支配するかたちが完成したのであり,年貢の負担割付・徴収などはすべて村によって行われた。そして灌漑施設の維持,上部権力に対する礼銭一献料(いつこんりよう)など村の維持存続などの費用は村がこれを村入目(いりめ)として負担し,これを村民に対して家役(いえやく)というかたちで賦課したのである。村法には,この家役の賦課・負担に関するものが多く定められているが,この家役の負担が村落成員のあかしとして,村民に〈公界(くがい)のつとめ〉と意識されていたのである。…

※「家役」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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