内科学 第10版 「寄生虫性肝硬変」の解説
寄生虫性肝硬変(特殊型肝硬変)
日本住血吸虫症,肝吸虫症,エキノコックス症が原因となる.日本住血吸虫症では,虫卵が肝内門脈枝を閉塞し,その周囲に肉芽腫性変化を生じ,肝硬変まで進展する.外観は亀甲状の粗大結節を呈する.パイプ柄といわれる太い線維化(pipe-stem fibrosis)が特徴的である.亀甲状外観に微細顆粒状結節がみられる場合は,肝炎ウイルスによる重感染が示唆される.日本住血吸虫症は,わが国では環境衛生の改善により激減した.[坂井田 功]
■文献
Sherlock S, Dooley J;小俣政男監訳:シャーロック肝臓病学.pp315-328, 西村書店,東京,2004.
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報