エキノコックス症(読み)エキノコックスショウ

関連語 echinococcosis

内科学 第10版 「エキノコックス症」の解説

エキノコックス症(条虫症)

(2)エキノコックス症(多包虫および単包虫)(echinococcosis)
概念
 北海道全域を含む北半球の寒冷地に分布する多包条虫(Echinococcus multicularis)による多包条虫症と,世界の牧羊地帯に広く分布する単包条虫(E. granulosus)による単包条虫が知られる.前者は野生動物で伝播し,後者はおもに家畜間で伝播する.
病因・感染経路
 多包条虫はキツネイヌ終宿主とし,成虫はその腸管で発育する.本来は終宿主から排泄された虫卵を中間宿主である野ネズミが摂取し,肝臓に多くの原頭節を含む多包虫が形成される.一方,ヒトは中間宿主として虫卵を摂取して肝臓に多包虫を形成するが,原頭節の形成は少ない.
臨床症状
 十数年の間に次第に病変は拡大し,肝腫大や上腹部痛を訴える.末期には肝硬変や閉塞性黄疸,浮腫をきたし,肝不全は進行する.一方,肺や脳にも転移することがあり,多彩な神経症状を呈する.
診断・治療
 診断には超音波検査やMRI,頭部CT検査が役立つ.このほか,ELISA法による免疫学的診断も有効である.治療は外科的切除が基本であるが,遺残病巣や転移巣に対してアルベンダゾールを投与する.[前田卓哉]

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エキノコックス症」の意味・わかりやすい解説

エキノコックス症
エキノコックスしょう

包虫症」のページをご覧ください。

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