富来町(読み)とぎまち

日本歴史地名大系 「富来町」の解説

富来町
とぎまち

面積:一二三・四七平方キロ

能登半島の中央西部にある。北は門前もんぜん町、南は志賀しか町、東は穴水あなみず町・中島なかじま町に接する。北部と東部は丘陵で、高爪たかつめ(三四一メートル)から酒見さかみ川が流れ、切留きりどめを源とする富来川が市街地を流れて日本海に入る。集塊岩が波に浸食された海岸一帯は能登金剛のとこんごうとよばれる景勝地。高爪山は山容から能登富士とよばれ、航行船や漁業の「山ダメ」の基準点となってきた。国道二四九号が町西部を南北に走る。

縄文時代の遺跡として福浦ふくらヘラソ遺跡・酒見新堂さかみしんどう遺跡があり、いずれも出土土器は分類の標準土器となっている。富来川下流左岸の高田たかた遺跡は弥生時代から中世にわたる複合遺跡で、出土遺物から各時代を通してこの地域の中心的役割を担ったことがうかがえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報