地頭町村(読み)じとうまちむら

日本歴史地名大系 「地頭町村」の解説

地頭町村
じとうまちむら

[現在地名]富来町地頭町

切留きりどめ村に発し、日本海に流入する富来川の河口左岸に位置し、対岸領家町りようけまち村。地名は中世の下地中分によるといわれる(富来町史)。南北朝内乱期に富来院を本貫とした富来彦十郎が守護方と交戦しており、それと関連するとみられる中世の墳墓(県指定史跡)が集落背後の岩壁中腹にある。確認されている七基のうち一号―五号窟は海に向かって並列、六号・七号窟はやや離れている。一号―三号窟の窟内には五輪塔、四号窟には宝篋印塔、六号窟には五輪塔陽刻板碑、七号窟には方錐形板碑が納められ、神奈川県の鎌倉周辺にある武士階級の墳墓「やぐら」に近似、同地域との関連も推定される。窟内石造物の造立時期は室町時代前期から中期とみられる。

地内本隆ほんりゆう寺の慶長九年(一六〇四)八月下付の教如絵像裏書に「富木之院地頭町」とある。外浦街道の宿駅富来駅が置かれ、駅馬一五疋を常備(加賀藩史料)正保郷帳では「富木村 領家町 町本江村」として高付され、高五一七石余、田二三町七反余・畑一〇町六反余、免七ツ九歩五厘とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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