寒参り(読み)カンマイリ

デジタル大辞泉 「寒参り」の意味・読み・例文・類語

かん‐まいり〔‐まゐり〕【寒参り】

[名](スル)の30日間、信心祈願のために毎夜社寺に参拝すること。また、その人。裸または白衣に白鉢巻きをし、鈴を振りながら行った。裸参り。寒もうで。 冬》「野の道に電灯ついて―/亜浪

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百科事典マイペディア 「寒参り」の意味・わかりやすい解説

寒参り【かんまいり】

寒詣,裸参りともいう。信心または祈願のためにの30日の間,毎夜神社や寺院に参拝すること。白衣に鉢巻をしめ鈴を振りながら,苦行として行う。東京では深川不動尊が盛ん。もと修験者などの間で行われたものが一般化したものと考えられている。

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世界大百科事典(旧版)内の寒参りの言及

【寒行】より

…一年中で最も寒い時期の修行であるために,厳しい苦行となるが,その苦行が多くの功徳(くどく)をもたらすという信仰が背景にある。一般に寒行には僧侶を中心とした寺堂や道場での座禅・誦経・念仏・題目のほか,鉦を叩きながら民家の軒先や社寺を巡って念仏や和讃を唱える〈寒念仏〉,鈴を振りながら裸足で薄着して社寺に参詣し祈願する〈寒参り〉,冷水を浴びて神仏に祈願する〈寒垢離(かんごり)〉などの所作がある。〈寒念仏〉について,文化年間(1804‐18)に編まれた《会津風俗帳》には〈堂社修繕建立のため,出家又は信心の男女四五人連にて和讃念仏を唱へ,村々相廻り,米少々つゝ出す〉と托鉢の状況を記し,同時期の《歳時謾録》には六斎念仏の行者が城下や無常所を夜行したと記し,《続飛鳥川》には白木綿の単物と頭巻を着し,鈴を振って歩行し,絵札をまく願人坊主の姿を記している。…

※「寒参り」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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